普段、ワックスを使っている。
べたべたてかてかという量ではない。
おでこに髪がかかり過ぎるのが嫌なので、それを上や横に逸らせる程度の量だ。
具体的には、
人差し指でちょいと取るだけの量だ。
大学生の頃から使っているので、ワックスで髪をセットするのにももうだいぶ慣れたものだ。
われながら、感心する。
最初はべたべたと使っていたのに、いまや最低限で求めた髪型をつくれているのだから。
テンションを上げるためだったり、
エチケットのためだったり、
身なりを整えて気持ちを正すためだったり、
と、
ワックスを使用する理由はその日その時によって様々だが、
いづれにしても、
平日と休日で比較すると後者の方が使用量が多い。
前者の方が髪型を整える必要性としては大きいはずなのに。
後者となると、人差し指分プラスその半分の量を使う場合が多い。
休日の場合のセットは、こう↓。
きっちりと手のひらいっぱいにひろげて、丁寧に髪になじませる。
側頭部の髪にまできっちりとそうする。
女の子と会う日とかであればワックスを追加して後ろ髪にもそうする。
なじませたら、
まずでこ部の髪を整える。
真ん中は決まって上にかき上げ、左右はその日の気分でうまく調整する。
側頭部は、
左右のバランスを鑑みて後ろに流しつつ、髪型が角ばってしまわないようにフォルムを整える。
後頭部は、
うなじによせる。
平日はこう↓。
手のひらになんとなく広げて、
前髪をなんとなく整える。
休日よりも平日の方が人と接する機会が多いにもかかわらず、
このザマである。
なぜなのだろうか。
特に意識してのことではない。
誰に会う予定もない今日の朝、不意に気付いたのだ。
そういえば、というふうに。フォルムを整えている最中に。
髪型のセットというのはふつう、人に見られるという大前提の下に行われるはずなのに、
なぜ私は、というふうに。
テンションを上げるために髪型を整える、というふうなことを上述したが、
それは、
仕事で人に会う時の下がり切ったテンションを少しでも上げるため。という意味であって、
髪型をセットさえすればテンションが勝手に上がるという安直な意味ではない。
理想の髪型にすることが、てこになる。
憂鬱な一日を乗り越えるための、ちいさな踏み台になる。
私には。
なぜなのだろうか。
その必要も、そもそも前述した意味合いを持ち得ない休日に多くワックスを使うのは、
なぜだろうか。
平日よりも休日の方が大事だからな気がする。
それが正しいとすれば、誰に見られるかよりも自分がどう感じるかに重きを感じているということなのだが、それだけじゃないような気もする。
黙考……。
可能な限り良い状態の自分で、
過ごしたい時間を過ごすことによって、
平日を乗り越えるための体力を回復させている、というのが最も近しい正解な気がする。
しかしやはりこれだけでは納得できない。
他にもなにかある気がする。
……髪を形作ること自体が好きなのかもしれない。
平日は時間がないので適当にぱっぱとやるしかないが、
休日は時間をどれだけ費やしてもモーマンタイ。
そしてきっちりとクオリティを高めるにはどうしなければならないのか?
そう、ワックスの量を増やさなければならない。
だから平日よりも休日の方がワックスの消費量が多くなる。
休むためとか、
上機嫌になるためとか、
よりよい自分でいるためとか、
そんなのはどうでもいい。
より良い形をつくるという理由に比べれば、そんなのはどうでもいい。
毎日使用量が多いと無くなるのも早くなってしまうのでそれはそれで困るが、
あと一日くらいはクオリティにこだわれる日が増えたらうれしい。
そうすために、がんばらねば。

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