たくさん書きます。たくさん動きます。たくさん考えます。


海外小説


 

あまりにも大雑把すぎるくくりだが、

最近の私は、日本の小説よりも外国の小説の方が好きだ。

 

何を以って好きというのかと言うと、

最近よく読んでいることを根拠にしている。

最近は国内の小説よりも、外国の小説に不思議と手が伸びている。

 

すべての小説を読み切ったわけでもないのに恥知らずなことを言う痴態を

遥か彼方の銀河系に捨て去って、

日本の小説についての不満を言わせて頂くようだが、

多くの小説と書き手があるというのに

あまりにも均一化され過ぎている印象を受ける。

だから、内容がよくてもこころを刺激されないし、

そも、内容について考えようと思えないのだ。

図書館もしくは本屋で惹かれた本を手に取り、文章を味見する。

もっと思想を、もっと人生観を、もっと内面を、もっと価値観を、文章に浸食させてほしい。

そんな文章を私は読みたい。

そして可能であれば、物語も内面によくよくひたしたものであってほしい。

フランスでつくられたチーズにフランスのワインが合うように、文章も物語もそうなのだから。

 

米澤穂信氏、秋山瑞人氏、薬丸岳氏、佐藤大輔氏、大森藤野氏、瀬名秀明氏ら五人の文章は

上記の例から漏れるが。

 

とある日に、そんな渇望を満たしてくれたのが海外の小説だった。

恥ずかしながら、最初に満たしてくれたものの名前をもう覚えていない。

しかし、今読んでいるのはクリスティアン・クラハト氏著で髙田梓氏訳の「死者たち」で、

これは特異性が染み渡った一冊だ。

複雑で、難解で、ほとんどが地の文で編まれた

───ひとによっては退屈な───

一冊。

しかし、思うに海外の小説には地の文の割合が高いものが多い気がする。

そして反転させて考えると、日本の小説は会話が多すぎる気がしなくもない。

どちらが好きということは、ない。

気分と調子によって変わる。

ただ、その割合があまりにも偏っている。

 

人の心理というのはひとの口から音として発せられるものと、

その意味によってのみ知れるものではない。

熱を帯びた視線、冷めた無言、震えた声音、はっきりとした所作、平均体温の柔肌、……。

などなどなどからも知れる。

 

それと同様である。

言葉選び、配置、ストーリー進行の順番、地の文とそれ以外のバランス、沈黙の利用頻度、……。

などなどなどから著者の感性というか文章のくせを知り、他者との差異性を測りたいのだ。

 

差異性を知り、小説の内容についてだけでなく、

著者の内面についてもあれこれ考えたい。

 

小説というのは自身のためだけの表現の場ではなかったのか。

「自分のため」という枠に「誰かのため」という枠が勝手に収まるだけで、

「誰かのため」という馬鹿げたくだらない唾棄すべき考えが大枠であるべきではない。

 

とは言ってもだ。

商業である以上、

金を介する以上、

労働である以上、

契約がある以上、

個人で完結しない以上、

他人に頼らなければならない以上

「自分のため」だけではいけないのもわかっている。

こどもではない。(嘘である。大人のふりがうまいだけのこどもである。大抵の誰よりも幼稚な。しかし救いようのないことにこどもであることを一生やめるつもりはない。されどもそのためには大抵の誰よりも大人でなければならないとも理解している。やりたいことをやる以上、すべきことをしなければならないのだから)

ただ、もっと「自分」の割合を増やしていいと思うのだ。日本の小説は、海外の小説のように。

 

劣っているとはけして言わない。むしろ勝っている…とも言えないが、

もっとよいところを、もっとちがうところを、

積極的に取り入れて変容すべきなのだ。

 

奇抜であってほしいわけではない。

すべてが奇抜になればそれはカオスだ。

ジャンクフードを頬張りたくなるときもあれば、そばをすすりたくなるときもあるだろう。

図書館や書店に並ぶ本のほとんどの本は、

ディストピア的世界観のなかで食されがちな固形食に感じる。

 

わたしはときには生ごみをくらう覚悟があるから、もっと様々なものが欲しい。

 

ありきたりでありながら個性的なものを、

個性的でありながらありきたりなものを、

奇抜でありながら基本的なものを、

基本的でありながら奇抜なものを、

非道にあふれたものを、

善意に満ち満ちたものを、

ひだまりのようなものを、

海辺に吹きすさぶ寒風のようなものを、

もっと私は読みたい。

 

そして私もつくりたい。

つくると決まっている。

 

なんか本題から逸れてしまったような気がするけど、私は気にしない。

ここに関して言えば「私が良ければなんでもいい」のだから。

 


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