The Sixth Station
敬愛すべき久石譲氏の作品のことごとこくは、
曲名と実際の音楽があまりにもあてはまりすぎている。
「The Sixth Station」はその筆頭のひとつだと思う。
この名曲を「千と千尋の神隠し」ではじめて聴いた人がほとんどだと思う。
遠くを走る電車を千がぼんやりと眺める場面で流れている。
うすぼんやりとした明かりを灯した電車が海の上を走って行く。この曲の上を駆けて行くように鳴る、ガタンゴトンガタンゴトン、という電車の音がまったくノイズに感じない。
静かで悲しく、しかししっかりと残る、不思議な曲調。
私は、
この曲は単体で聴くよりも、生活音をはじめとした他の音を交えながら聴くのがすきだ。
イヤホンで聴くにしても、片方を外すか音量を下げて聴くことにしている、
様々な場所で聴いてきた。
奥多摩の川沿い。
夜中の近所の散歩。
下田にある民宿の和室。
夕陽刺す大学帰りの電車内。
陽が昇る前の東京都内。
芝浦公園での野宿時。
不思議と眠れない夜。
読書に集中したいとき。
ただぼんやりとしていたいとき。
───など。
ドビュッシーの「月の光」ほど眠気を誘いはしないが、
必要な分の安定感や、
求めた精神状態を与えてくれる万能薬に思える。
他にも好きな曲は多くあるが、困った時、迷った時には八割方聴く。
曲の始まり方はあまり何も思わない。
その次から終わりまでの、
ぽつぽつと点を打つような演奏が好きだ。
この曲を弾ける人はどのような気持ちで弾くのだろう。
切れないように、しかし繋ぎすぎないように、慎重に弾くのだろうか。
誰かに聞いてみたい気もするが、
いつか、
自分で弾いてみよう。
まずは楽譜を読めるようにならなければ。
昔は苦手だったけど、きっと今なら大丈夫だろう。

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